「天平の甍」に飛鳥の瓦 「おけ巻き」11枚 奈良・唐招提寺金堂 「天平の甍(いらか)」と称される奈良市西ノ京・唐招提寺金堂の屋根に、飛鳥時代に焼いた可能性が高い瓦11枚が使われていたことが24日までに、県文化財保存課の調査で分かった。 8世紀後半に創建された唐招提寺の金堂が、平城宮などの瓦を再利用したことは既に分かっているが、今回見つかった11枚は、奈良時代初期には廃れた「おけ巻き」と呼ばれる製法が使われ、さらに時代がさかのぼる。 11枚は屋根の西面にあり、長さ約41センチ。長さ約34センチの奈良末期〜平安初期の瓦より一回り大きいが、同じ瓦を縦一列に並べ、大きさの違う左右の列の瓦と組み合わせていた。 文化財保存課は「記録がなく転用と断言できないが、金堂の瓦で最も古いのは間違いない」としており、瓦が貴重品だった当時、頻繁にリサイクルしたことをあらためて裏付ける資料だ。 おけ巻きは、百済から伝来した最初の瓦製法。おけの外側に土を巻き、成形してから四等分して焼くため、瓦の断面が円の4分の1になるのが特徴。飛鳥寺(6世紀末)など飛鳥や斑鳩の寺で多用されたが、奈良中期から台に土を載せて成形するようになり、廃れた。 森郁夫・帝塚山大教授(考古学)の話 建立から1200年の間、何度も修理があったはずなのに、11枚も残っているのは当初、かなりの部材を集めたと推察できる。今後解体調査が進むにつれ、木材や礎石でもリサイクルが明らかになるのではないか。 2002年8月25日 -奈良新聞より- |