国宝・投入堂 実は二代目 平安期と同じ場所に初代 鳥取・三仏寺 平安時代後期の建立で現存最古の神社本殿形式の建築とされる鳥取県三朝町の国宝・三仏寺投入堂に、平安中期に建立された”先代”が存在する可能性の高いことが、奈良文化財研究所や奈良国立博物館の調査でわかった。投入堂内に安置されている木造の蔵王権現立像の年輪年代を調べたところ、現在の堂の推定建立年代である1100年ごろより、約70年古い1025〜1030年ごろの作と判明した。 投入堂の下の岩肌に古い柱穴跡が確認されており、”先代”の存在は以前から想定されていたが、今回の調査で、それが科学的に裏付けられた。投入堂はこの蔵王権現を安置するために設けられたとされていることから、投入堂の創建は11世紀の中ごろまでさかのぼるものと見られる。 年輪年代を測定したのは、蔵王権現立像7体のうち1体(高さ約99cm)の左足下の部分。その結果、1025年ごろに伐採され、1030年ごろまでに彫刻されたことが分かった。このため蔵王権現立像が制作されたのと同時期に、現在の位置とほぼ同じ場所に、”初代”の投入堂が建立された可能性が高まった。 2002年10月4日 -讀賣新聞 朝刊より- |