世界遺産登録で文化庁
紀伊山地の霊場と参詣道ユネスコへの推薦決める


 文化庁は6日、和歌山、奈良、三重の3県29市町村にまたがる「紀伊山地の霊場と参詣道」(さんけいみち=総延長308・4キロ)をユネスコの世界遺産に推薦することを決めた。資産構成が多岐にわたるため、同庁と環境省の共同推薦となる。来年1月に政府の推薦書をユネスコ世界遺産センターに提出、夏〜秋の現地調査を経て平成16年6月に開催予定の世界遺産委員会で登録が決まる見込み。登録されれば、国内12件目となる。
 「霊場と参詣道」は、「平泉の文化遺産」(岩手県)、「彦根城」(滋賀県)などわが国の暫定リストに記載されている5件の中から1件だけ選ばれた。
 「同参詣道」は、13年に暫定リストに加わった。この年、和歌山、奈良、三重の3県は世界遺産登録推進三県協議会を設立。3県は世界遺産登録に向け連携して取り組んでいる。今年11月、大辺路や熊野川の一部などが国の史跡に指定され、暫定リストに構成資産として追加された。
 推薦が決まった資産は、修験道の拠点である「吉野・大峯」、熊野信仰の中心地「熊野三山」、真言密教の根本道場である「高野山」の3霊場と、大峯奥駈道や熊野古道などそれらを結ぶ「参詣道」で構成されている。特徴は、熊野川、那智大滝、那智原始林、つぼ湯など、川や滝、森林、温泉などが含まれ、資産が多岐にわたる点。また、これらの資産が、いまなお、民衆の中に息づいていることも極めて貴重であるという。
 構成資産には史跡、名勝、天然記念物や、国宝(4棟)、重要文化財指定(23棟)の建造物が含まれている。
 各霊場、参詣道の構成資産は次の通り。

 【霊場】
 吉野・大峯 吉野山、吉野水分神社、金峯神社、金峯山寺、吉水神社、大峰山寺
 熊野三山 熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社、青岸渡寺、那智大滝、那智原始林、補陀洛山寺
 高野山 丹生都比売神社、金剛峯寺、滋尊院、丹生官省符神社

 【参詣道】
 大峯奥駈道、熊野参詣道(中辺路・小辺路、大辺路・伊勢路)、高野山町石道

 ■世界遺産
 ユネスコ総会で採択された「世界遺産条約」に基づき、人類共有の財産として国際的に保護・保全していくことが義務づけられている「遺跡」や「建造物」「自然」などのこと。世界遺産に登録されるには、ユネスコの「世界遺産委員会」で、資産の内容が他に類例のない固有のものであり、国際的に決められた基準に照らして「顕著で普遍的な価値」があると認められることが第一条件。また、保存管理が手厚くなされていることも必要条件となっている。現在、730件(うち国内11件)の遺産が登録されている。

                    
2002年12月7日 -紀伊民報 より-

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