栄西自筆の書状14点確認 東大寺再建の背景知る資料に 日本臨済宗の開祖で、日本に茶を広めたといわれる平安・鎌倉時代の禅僧・栄西(1141〜1215)の自筆の書状14点が、名古屋市中区の大須観音に保管されていることが分かった。これまで確認されている栄西自筆の書状は3点だけで、2点は国の重要文化財に指定されている。 愛知県の調査によると、今回見つかったのは、栄西が東大寺再建の指揮をとっていた晩年の書状といい、当時の国家的事業の背景を示す貴重な資料とみられる。同県は、3月発行の「愛知県史研究」で研究成果を発表する予定だ。 同県県史編さん室によると、14点は「栄西」の署名が記された9点と、現代のサインにあたる花押がある5点。 これらはすべて袋とじの教典「因明(いんみょう)=仏教の論理学=三十三過記」(縦32.1センチ、横27.5センチ)の紙の裏に書かれていた。 昨年7月、県史編集のため、大須観音の収蔵庫を調べた稲葉伸道名古屋大教授(日本中世史)らの研究チームが発見。現存する他の栄西自筆書状と署名や筆跡と比べ、栄西の自筆と確認した。 稲葉教授によると、書状の多くは東大寺僧と推定される人物にあてたもので、東大寺再建事業に関する内容を含む。 栄西が東大寺再建の責任者「大勧進職」にあった1206(建永元)年〜15(建保三)年に書いたとみられる。 稲葉教授は「栄西時代の東大寺再建事業の内幕を表す史料は少ない。詳しく内容を検証し、発表したい」と話している。 2003年2月12日 -朝日新聞 より- |