「古事の森」も設定 文化財へ貢献図る 森林整備覚書 豊かな森づくりに向け近畿中国森林管理局と県は19日、両者間で締結した森林整備に関する覚書の内容を発表した。森林の多面的な機能を高める取り組みや林業振興の分野で国と県が連携を強めるほか、社寺修理用の資材を得る「古事の森」設定など文化財への貢献も項目に織り込んだ。今後、必要に応じて連絡調整会議を開き、施策の具体化を進める。 覚書は、国有林と民有林を一元的に整備するのが目的で、守田猛近畿中国森林管理局長と柿本善也知事が今月12日付で締結した。同管理局管内では、今月上旬の和歌山、三重両県に次いで3県目。 主な連携事項のうち、文化財への貢献では、同森林管理局が来年度、奈良市高畑町の地獄谷国有林に、県民が参加する植林地「古事の森」を設ける。詳細は未決定だが、平成10年の台風被害地約0.5ヘクタールを整備してヒノキなどを植栽、将来の文化財修理で必要な構造材を育成、提供する。 国は、景観保全と桧皮(ひわだ)など修理資材を供給する「世界文化遺産貢献の森林」を県と京都府、広島県宮島の国有林に設定しており、「古事の森」はその一部を活用。200年以上かけて民有林では育成、供給が困難な大木を育てる計画。 このほか覚書では、森林の多面的な機能の充実につながる整備、林業の振興、木材利用の推進、県民への情報提供などの項目について国と県の連携、協力を盛り込んだ。 同覚書の締結について柿本知事は、水源かん養や地球温暖化防止、世界遺産保護などに果たす森林機能を指摘した上で「森林を良好な状態で次世代に継承していくことは大事」とし、森林機能の持続的発揮につなげる覚書を評価。守田局長も「覚書を締結し、民有林、国有林が一層連携し、県の多様で豊かな森林づくりを進める」と話している。 2003年3月20日 -奈良新聞 より- |