鑑真の遺品?謎の珠 仏の力増す?<唐招提寺本尊> 解体修理の前半が終わり、24日、報道関係者に公開された唐招提寺金堂の本尊の盧舎那仏坐像(ざぞう)と千手観音立像について、関係者が注目したのは盧舎那仏の両手のひらに数珠の珠(たま)が埋め込まれていたことだった。「開祖の鑑真和上の遺品の数珠では」といった憶測も出て、謎の数珠への「ロマン」が一気に膨らんだ。 X線撮影で見つかった珠は水晶など鉱物質のもので、中央に貫通した穴があるため、数珠とわかった。 唐招提寺では、金堂の薬師如来立像(国宝)の左の手のひらに銅銭3枚が塗り込められている例と、収蔵庫の木心乾漆菩薩立像(重要文化財)の胸部と手のひらに瑠璃(るり)色の珠が込められている例と、類例が2体ある。だが、他の寺では今のところ確認されていない。このため、鑑真が中国から伝えた可能性も考えられている。 文化庁美術学芸課の奥健夫・文化財調査官は「中国では、手のひらという例は見られないが、みけんや胸に珠を収めた例は文献にある。仏の力を増すという意味があるのではないか」と話す。 数珠の珠の材質が知りたいところだが、文化庁は保存上の問題はないため、後半の修理でも取り出さない方針という。永遠の謎で終わるかもしれない。 唐招提寺は仏像修理所の特別公開(5月31日〜6月8日)のほか、次の恒例行事をする。 鑑真和上坐像・御影堂障壁画全面特別開扉=5月31日〜6月8日、御影堂で 開山忌舎利会=6月5、6日、御影堂、講堂、東室で。また、6月6日午後3時から東室で、作家永井路子さんの講演「唐招提寺に想うこと」がある。 2003年4月25日 -朝日新聞 奈良版より- |