手のひらの中に珠 大小4個確認 唐招提寺の盧舎那仏坐像

 奈良市五条町の唐招提寺(益田快範長老)で、保存修理事業が進められている金堂の本尊、盧舎那仏(るしゃなぶつ)坐像(国宝)の両手のひらの中に、数珠のような小さな珠(たま)が大小4個埋め込まれていたことが、24日までに分かった。
 盧舎那仏坐像は、同じく金堂に設置されていた千手観音立像(国宝)とともに、境内に建設された修理作業所に平成12年12月に移され、仏像表面の金ぱくのはく落止めや薫蒸殺虫の処理が行われていた。修理のためのエックス線透過撮影で、珠の存在が確認されていたという。
 珠の大きさは大きいものが直径11ミリ、小さいものが同九ミリ。左右に大小2個ずつ埋め込まれ、珠の中央に貫通した穴のようなものが見受けられた。同寺金堂の薬師如来像の左の手のひらに3枚の銅銭が埋め込まれていたり、同寺の収蔵庫に安置されている木心乾漆菩薩立像(重要文化財)の胸部と手のひらに瑠璃(るり)色の珠が埋め込まれている事例が確認されているが、あまり類例がないという。
 文化庁文化財部美術学芸課の伊東史朗・主任文化財調査官は「いずれの仏像の異物も偶然見つかったもので、唐招提寺だけのものかどうかはよくわからない。いずれも作り手の信仰を表し、仏像の尊さを強調したもので、当時の仏教や仏像を考える貴重な資料になる」と話している。
 今回の修理作業では、延宝年(1673−80年)中に行われた江戸時代の修理で仏像の表面に変色をきたしていたベンガラ漆が取り除かれ、代わりにムギ漆とコクソ漆が用いられて乾漆の割れの安定化が図られた。数珠の発見とともに、建立当時の盧舎那仏の台座の蓮花の花弁が、現在の72弁より24枚多い96枚だったことなどが認められた。

 同寺では、鑑真和上の来日1250年を記念して例年より長く公開される御影堂の鑑真和上坐像の特別開扉にあわせて5月31日から6月8日まで両仏像を公開。時間は午前9時から午後4時。拝観無料。ただし入山料、御影堂の拝観料は別途必要。

                      2003年4月25日 -奈良新聞 より-

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