唐招提寺金堂の鴟尾 当時の姿再び 解体修理し保存処理

 解体修理で下ろされ、傷みが激しかった唐招提寺金堂(国宝)の屋根の鴟尾の保存処理が行われた。解体修理後は新しく造られた鴟尾が載せられるが、創建当初の寺の姿を伝えるものとして、寺で大切に保管される。

 同寺の鴟尾は、西側が奈良時代の創建当初、東側が鎌倉時代の再建時のもの。いずれも亀裂が入るなど傷みが激しいため、解体修理を終えたあとに再び屋根に載せるのは難しいと判断。ひとまず役目を終えさせることにし、傷の広がりを防ぎ、現状を維持するための保存処理が行われた。
 鎌倉時代の鴟尾は、割れていたものを鉄板と銅線で留めていた上、平成3年にシリコン剤で亀裂をとめる暫定的な処理が過去に行われており、今回の保存処理でこれを除去。樹脂で固めて元通りの姿を取り戻した。
 天平の鴟尾は、内部のハチの巣や蜜ろうを除去。刷毛でていねいに汚れを落とした。ぼろぼろと崩れそうになっていた表面を樹脂を浸透させて固めたほか、亀裂が著しい部分も樹脂で固めた。処理を施した部分はアクリル絵具で目立たないように色をあわせたという。

 唐招提寺の天平の鴟尾は、日本最古の瓦製の鴟尾といわれ、日本の寺院建築を知る上で貴重な資料。同寺では「寺の創建当初の姿を伝えるものとして、これからも大切に守っていきたい」としており、いずれは一般公開も検討するという。

                      2003年8月6日 -奈良新聞 より-

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