鑑真ゆかりの仏舎利、1250年ぶり中国に 唐招提寺が分骨

 奈良時代に中国の僧、鑑真が日本にもたらし、唐招提寺で伝えられてきた仏舎利(釈迦の遺骨)の一部を、来日1250年を記念して3日まで中国を訪れていた唐招提寺の益田快範長老が鑑真の故郷の中国、揚州市の大明寺(能修住職)に奉納。1250年ぶりに里帰りし、大明寺に再建された九重塔「棲霊塔」(高さ73メートル)に納められた。

 中国・南朝期に創建された同寺の塔(隋代の建立)には、9000粒の舎利が納められ、鑑真がもたらした3000粒の仏舎利はこの一部と伝えられる。塔は843年の火災で焼失し、仏舎利も残っていない。大明寺は平成7年に塔を再建し、唐招提寺の仏舎利の分骨を求めていた。

 唐招提寺に伝わる仏舎利は国宝の金亀舎利塔に納められているが、一部は鎌倉時代に分骨。代々の長老に伝えられ、戦時中は出兵する寺関係者に分けられたこともあったという。唐招提寺は三粒を舎利容器(高さ23センチ、台座の直径14センチ)に納めて奉納した。鑑真由来の舎利が海を渡るのは初めてという。

 揚州市では、市長や中国仏教協会(一誠会長)、市民ら約1万人が歓迎。盛大な法要が営まれ、棲霊塔の二層目の厨子(ずし)に納められた。

 益田長老は「鑑真和上の遺徳を通じて、日中両国の親善がさらに深まるものと確信しています」と話している。

                      2003年11月5日 -奈良新聞 より-

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