香料の出納記録記載-正倉院の紙片

 正倉院に残る紙の断片を接合したところ、弘仁13(822)年4月に香料を取り出した出納記録が書かれていたことが、宮内庁正倉院事務所の調査で分かった。この年は、東大寺別当に就任した空海が真言院を建立、密教儀式の灌頂儀(かんちょうぎ)が行われおり、弘法大師が行った儀式の内容をうかがう資料として注目されそうだ。
 紙片は、2枚のガラス板に挟み込んだ状態で別々に保管されていたが、組み合わせると縦17.6センチ、横13.0センチの紙片に復元できることが分かった。
 紙片の表には、天応2(782)年に香木を唐櫃(からびつ)納めたことが記されており、その裏面に弘仁13年、同14年に香木を取り出したことが記載されていた。
 弘仁13年の記述は一部が読めないものの、灌頂儀のために?松(かんしょう)香三両を取り出したとことが分かる。
 正倉院に伝わる出納帳簿には、弘仁13年に灌頂法行のために北倉の香薬を取り出した記録があり、今回確認された紙片は香木の種類や分量が北倉の記録とは異なるが、この灌頂儀に用いるため北倉とは別に所蔵していた唐櫃から取り出した香薬の記録とみられる。


                    2004年5月26日 -奈良新聞 より-

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