屋根解体せず持ち上げ改造 大徳寺・玉林院本堂、明治期の修理で

 保存修理中の重要文化財・玉林院本堂(京都市北区)は、明治時代の修理の際、屋根を解体しないまま持ち上げて、屋根の高さを約30センチ短く切りつめる珍しい工法が使われていることが15日までに、京都府文化財保護課の調査でわかった。屋根の改造は解体して行うのが普通といい、同課はこのような手法を採用した経緯や作業工程に関心を寄せている。

 玉林院本堂は江戸初期の再建当初、桧皮葺(ひわだぶ)きだったが、江戸時代後期で瓦葺きに変更された。しかし、瓦葺き向けに屋根の形状を変えていなかったため、1894(明治27)年の修理で、屋根の改造工事が行われたという。

 同課によると、再建当初に屋根を支えていた部材の一部が屋根の小屋裏から見つかった。現在の部材と長さや位置関係を比較したところ、屋根の高さは現在より33センチ高く、明治の工事の際、切りつめられていることがわかった。

 しかし、屋根自体の部材には、分解して組み立て直した跡がなく、修理の時も屋根はそのままの状態だったとみられる。寺社の屋根の高さを変える時は、屋根を解体するのが通常で、今回のような手法は見られないという。

 調査担当の森田卓郎専門員は「どのような方法で屋根を持ち上げたのかはわからないが、工期の短縮や費用の面から採用されたのではないか」と話している。
 【玉林院】 大徳寺の塔頭で、1603(慶長8)年の創建。本堂は6年後に焼失し、21(元和7)年ごろに再建された。臨済宗の塔頭の本堂では大規模な建物で、狩野探幽らによる襖絵などで知られる。昨年から2007年まで5年間の予定で修理が行われている。


                    2004年7月15日 -京都新聞 より-

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