「最古級」天台法具 京で発見 羯磨と飲食器 2寺院で

 天台宗の密教儀式・大壇修法(だいだんすほう)に使われたとみられる法具「羯磨(かつま)」と「飲食器(おんじきき)」が16日までに京都市内の寺から相次いで見つかった。形態から平安末期−鎌倉前期のものとみられ、調査した京都国立博物館(東山区)は「貴重な発見で、特に羯磨は天台宗の法具としては最古級ではないか」と注目している。

 同博物館は天台宗京都教区の依頼で、2002年秋から1年半かけて、京都市内など管内60カ寺すべての宝物を調査。「羯磨」は上京区の護浄院で、「飲食器」は左京区の青蓮院で見つけた。

 大壇修法は天変地異や天皇の病気などの際に行われた本格的な加持祈祷(きとう)。曼荼羅(まんだら)を敷いた約2・5メートル四方の壇上で行われ、大日如来など多くの仏に祈願する。

 羯磨は大壇の四隅に置かれ、煩悩や魑魅魍魎(ちみもうりょう)から聖域を守る結界の役目を果たす。飲食器は米や穀物を供える器で、大壇の四辺に置かれる。

 護浄院で見つかった羯磨は四口あり、一口は平安末期、三口は鎌倉初期とみられる。縦横約10センチの金銅製。東寺所蔵の金銅羯磨(平安中期、重文)が最古とされるが、今回の発見はそれに次ぐ時代。中央のハスの花が、1枚ずつ丁寧に描かれるなど、古い形態を残すという。護浄院の松景昭稔住職は「大事に使ってきたが、そんなに古いものだったとは」と驚く。

 飲食器は八口セットで青蓮院の収蔵庫から見つかった。口径約15センチ、高さ約10センチの金銅製。うち五口は台脚が低く、杯の口が大きい鎌倉前期の形。常楽寺(湖南市)などに残る平安中期のものが最古とみられる。
 同博物館の久保智康工芸室長(工芸史)は「いずれも単体でなく、セットで出てきたことが貴重。法具は日常的に使用されるため残りにくく、奇跡的な発見」と話す。


                    2005年9月17日 -京都新聞 より-

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