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ピンチ! 若冲の天井画 大津の義仲寺 傷みや退色進む 松尾芭蕉と木曽義仲の墓があることで知られる国の史跡「義仲寺(ぎちゅうじ)」(大津市馬場1丁目)で、江戸中期の画家、伊藤若冲(1716−1800)が描いた翁(おきな)堂の天井画「花卉図(かきず)」が色あせ、傷みが激しくなっている。雨漏りなどが原因とみられるが、若冲の天井画は同寺を含め全国に2件しか現存せず、専門家からは「これ以上傷まないうちに早急に修復すべき」との声が上がっている。 京出身の若冲は、華麗な色彩と精密な描写で知られる。5年前に国立京都博物館で開かれた「若冲」の特別展が9万人を超える入場者を集めるなど、近年、人気が高まっている。 現存する若冲の天井画は義仲寺の翁堂と、京都市左京区の信行寺の本堂の2カ所だけ。信行寺は、若冲が晩年に描いた伏見区の石峰寺の観音堂から移設されたとされるが、義仲寺の翁堂の天井を飾るカキツバタやキク、アサガオなど15枚(各35センチ四方)は描いた経緯が不明という。ただ、信行寺の天井画と似ていることから、同時期の作品と考えられている。 義仲寺は一時期荒廃していたが、1965年の宗教法人化で翁堂などが再建され、67年に境内が国の史跡に指定された。しかし、天井画は資金難などから十分に修復できず、木板がひび割れたり、雨漏りで絵の具がにじむなど、年々傷みが激しくなっている。 国立京都博物館の狩野博幸文化資料課長は「今や大スターの若冲の天井画は貴重。早急に傷みを防ぐ措置が必要」と指摘し、同寺の岩崎幹雄代表役員は「天井画の傷みは長年懸念していた。行政とも相談して修復を検討したい」と話す。文化庁記念物課は「翁堂も境内の構成要素の一つ。天井画の修復も補助の対象になり得る」としている。 2005年11月26日 -京都新聞 より- |