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天平時代の伎楽面発見 奈良・東大寺から流出か 奈良県天理市の天理大学付属天理参考館が所蔵する古代の面が、奈良時代に東大寺などで盛んに行われた仮面音楽劇「伎楽(ぎがく)」の面だったことが分かり、同参考館が19日、発表した。リアルな面の表情や作り方の特徴などから、天平時代に日本で作られたとみられる。 江戸時代後期に松平定信が編集した「集古十種(しゅうこじっしゅ)」に、東大寺所蔵として損傷個所や特徴が全く同じ伎楽面を描いた図があり、明治時代以降、何らかの理由で東大寺から流出した可能性が高いという。約40年前に民間の収集家が同参考館に寄贈、これまで埋もれたままになっていた。 面は麻布と漆を交互に塗り重ねた乾漆製で、縦30センチ、幅18センチ、奥行き28センチ。鼻や耳、あごの一部が欠け、彩色もはげているが、ぽってりとした唇や口ひげ、つり上がったまゆと目など怒ったような表情が生き生きと見て取れる。 表情や馬の毛を髪の毛として張りつける特徴などから、酔っぱらって登場する胡(中国の西域)人の家臣「酔胡従(すいこじゅう)」の面だったらしい。 同参考館の近江昌司副館長は「視界を確保するため目の部分を大きくくりぬいてあり、実際に使われていたのは間違いない」と推測している。 伎楽は大陸から伝わった寺院祭祀(さいし)の一種。東大寺の大仏開眼供養(752年)でも演じられた記録がある。鎌倉時代以降は日本独自の雅楽や舞楽に押されて衰退、東大寺や正倉院(奈良市)、法隆寺(奈良県斑鳩町)などに面が残っている。 2006年9月19日 -共同通信 より- |