都望む飛鳥のVIP邸か 新田部親王ゆかりの丘陵

 奈良県明日香村の竹田遺跡で7世紀後半とみられる大型建物10棟の遺構が見つかり、村教育委員会が21日発表した。
 当時の都・飛鳥京を望む丘陵斜面にあり、飛鳥寺からわずか約200メートルの超1等地。太い柱を使った立派な建物だったことや、生活に使う土器が大量に出土していることから貴族や高級官僚ら飛鳥時代のVIPの邸宅の一部だったと推測される。
 村教委は「当時の飛鳥盆地は、宮殿を囲む周辺斜面に身分の高い人々の邸宅が立ち並んでいたのだろう。地名などから、天武天皇の皇子・新田部親王が住んでいた可能性もある」と話している。
 1番大きい建物跡は南北6・6メートル以上、東西約5メートルで柱の直径は推定約30センチ。建物配置などから正殿のような邸宅の中心建物ではなく、近くにもっと大きな建物があった可能性が高いという。
 万葉集には、柿本人麻呂が新田部親王に献じた歌があり、親王邸周辺の情景を「矢釣山木立も見えず降りまがふ雪にうぐつく朝楽しも(矢釣山の木立も見えないほどに降りみだれる白雪の中を、馬を走らせて御殿に来る朝は本当に楽しいことよ)」と詠んでいる。
 竹田遺跡のすぐ東側に「八釣」という地名が残っており、村教委は「ここが新田部親王邸の候補地の1つになるだろう」と話している。
 現在の八釣地区のすぐ南側にある丘陵斜面でも飛鳥時代の大型建物跡が見つかっており、地名や万葉集などから、藤原鎌足ゆかりの邸宅跡ではないかといわれている。


                     2006年11月21日 -共同通信 より-

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