脱活乾漆造と判明 中世国内製2例目 三井寺の宝冠釈迦如来座像

 中世期に国内で作られた脱活乾漆像と確認された宝冠釈迦如来座像。国内で2例目という(大津市・三井寺)
 大津市の園城寺(三井寺)金堂の宝冠釈迦如来(しゃかにょらい)座像が、14世紀から15世紀に国内で作られた脱活乾漆造(だっかつかんしつづくり)の仏像であることが、市歴史博物館などの調査で分かった。脱活乾漆像は奈良時代に多く作られ、興福寺の国宝・阿修羅像などが知られるが、中世期の国内製ではわずかに2例目。同時期の朝鮮半島製とみられる脱活乾漆像も近くの寺院で見つかっており、博物館は「中世期に古い仏像製作技法を復活させるのが東アジアで流行していたことを推測させる貴重な史料」という。

 宝冠釈迦如来座像は座高約120センチ。目は切れ長でつり上がり、口を一文字に結ぶ。体つきはふっくらとして座禅を組む。宝冠は見つかっていないが、かぶっていた跡が残る。像内部の背中部分に衣のしわの文様が浮き上がっており、叩いた時の音などから脱活乾漆造と確認された。南北朝時代から室町時代に活躍した院派の仏師の作とみられる。

 脱活乾漆造は、大まかに形を決めた塑像を漆を浸した麻布で包み乾燥させる工程を繰り返して像を形作り、最後に塑像を取り出す製作手法。奈良時代に盛んに作られ、東大寺の金剛力士立像、唐招提寺の鑑真和上像(いずれも国宝)などがあるが、中世期のものは神奈川県鎌倉市・寿福寺の釈迦如来座像が室町時代の作と確認されているだけ。博物館の学芸員は「局地的に同時期の国内外の脱活乾漆像があるのは興味深い」と話している。


                     2008年8月6日 -京都新聞 より-

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