大講堂の瓦ふき替え-痛みで雨漏りの恐れ【法隆寺】

 国宝の薬師三尊像を安置する斑鳩町の法隆寺大講堂(国宝)で、瓦が割れるなど屋根の傷みが進み、雨漏りの恐れのあることが分かった。県教育委員会文化財保存事務所は来年度から2年間かけて瓦の全面ふき替えと部材の修理を行う。全面ふき替えは約70年ぶり。

 大講堂は食堂(じきどう)として建立され、平安時代に落雷で消失、正暦元(990)年に再建された。江戸中期の修理で柱一本分西側に拡張され、現在の姿となった。

 昭和13年に完成した解体修理で古い瓦を日当たりの悪い北側にまとめたことからいてついて割れたり、表面がはがれるなどしているという。

 県教委文化財保存事務所が屋根に上がって調べたところ、驚くほど傷みが激しく、瓦座と呼ばれる軒先の部材は浸透した雨で黒く変色していた。

 江戸中期の修理では、水はけが良いよう、屋根のこう配をきつくしたが、戦前の解体修理で元の緩やかなこう配に戻した。

 このため、大雨が降ると、水が瓦の外側に回りやすくなっており、割れた部分は銅版をはさむなど応急処置が施されている。

 今回はすべての瓦を降ろして傷み具合を調査。北側は半分ほどの瓦を新しくする必要があるとみられ、使える瓦は日当たりの良い南側に移す。傷んだ瓦座や屋根板は新しい材に交換。瓦の下地に銅版をふくなど、大雨への対策も検討している。外壁のしっくいも塗り直す。

 平成23年に聖徳太子の御恩忌が営まれるため、来年度のなるべく早い時期に覆い屋の建設に着手、大講堂の外観はしばらく見られなくなる。

 県教委文化財保存事務所は「見栄えがいいよう、南側に新しい瓦をふいたのだろう。北側はかなりひどい状態だった。応急処置がなければ間違いなく雨漏りしていた」と話している。

 法隆寺の古谷正覚執事長は「完成すれば雨漏りの不安が解消され、外観も美しくなるでしょう」と期待している。


                    2009年2月4日 -奈良新聞 より-

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