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刀子発見、西大寺の格の高さ彷彿 平城宮周辺に金属生産工房可能性も 奈良時代末ごろの西大寺(奈良市)の旧境内井戸跡から見つかったわずか1センチ大の刀子(とうす)金具が、称徳天皇の発願で建立された同寺の格の高さを改めてうかがわせた。奈良文化財研究所の調査では、平城宮跡東南付近で過去に出土した金具も同様のものと判明。付近に正倉院宝物級の金属製品を生産した工房が存在した可能性も高まった。 東大寺に匹敵したという同寺は奈良時代末にほぼ整備が完了し、広大な境内に金堂や東西両塔などが並んだとされる。金具が見つかった井戸跡は、僧侶が食事などをした境内の食堂院にあった。同院は規模が縮小した現在の寺の北約200メートルにあり、平成18年に建物群や井戸跡などが出土。同研究所が井戸の埋土約1200箱分を持ち帰り、洗浄を進めた結果今回の金具を確認。金が施された装飾性豊かなものと分かったという。 一方、平城宮跡東南隅付近では、これまでに多くの金属製品や残りかすなどが出土。この中には、使途が不明だった山形の金具があったが、今回の発見で同様の刀子金具と判明。担当した同研究所の城倉正祥研究員は「今回の金具は正倉院宝物のものに似ており、平城宮跡そばで出土した金具とも同様と分かった点が重要。近くに工房があった可能性がある」と説明する。 渡辺晃宏史料研究室長は「金具は同寺の格の高さを裏付けており、奉納品の可能性もある。称徳天皇ゆかりの寺らしい、高級品の発見だ」と話している。 2009年4月10日 -産経新聞 より- |