阿弥陀如来像の胎内から人の歯と髪 大津・安養寺 鎌倉期の本尊

 大津市歴史博物館は6日までに、同市木戸の安養寺の本尊・木造阿弥陀(あみだ)如来立像の胎内から、鎌倉時代に納めたとみられる人間の歯と髪の束が見つかったと発表した。歯と髪の納入品が確認された仏像は全国的にも少ないという。歯などを入れるのは極楽往生を願ったり、仏像が生身に近づくという思想があり、博物館は「特殊な阿弥陀信仰の一端がうかがえ、貴重だ」としている。

 納入品は腕の骨とみられる炭化した物体と歯7本、輪状、棒状に束ねた髪の3点。いずれも奉書に包まれ、一つにまとめられていた。輪状の髪の奉書の表面には「源氏女(げんじのむすめ)」と記されていた。

 安養寺の本山とされていた増上寺(東京都)には、江戸期に同仏像から「安養尼」と書いた紙と白骨、剃毛が見つかった、と記す古文書がある。

 記述の真贋を確かめようと安養寺が調査を依頼し、博物館が6月にエックス線撮影で納入品を確認した。後の修復時に足を取り外したところ、漆箔(しっぱく)された胎内から見つかった。

 博物館によると、出自が源氏である女性を示す「源氏女」という書き方は鎌倉期ごろに特有という。本尊は鎌倉期の作で大きな修復跡がないため、納入品を像の制作時から入れていたとみられる。

 一方、安養尼は平安中期の天台宗の高僧、恵心僧都源信の姉か妹とされ、納入品が安養尼の遺品である可能性は低いとみている。

 本尊と納入品は、同館で開かれる「湖都大津社寺の名宝」展で展示される。10日〜11月23日まで。有料。



                    2009年10月6日 -京都新聞 より-

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