木簡に「石上宅嗣」の名 西大寺旧境内で出土

 日本最古の公開図書館を設立したことで知られる奈良時代の高官で文人、石上宅嗣の名前や肩書が書かれた木簡が西大寺旧境内(奈良市)で見つかり、市教育委員会と奈良県立橿原考古学研究所が3日、発表した。

 木簡の記述から、内裏に準じる宮殿があった平城宮東院の造営責任者だったことも判明。肩書付きの高官名が書かれた奈良時代の木簡の出土は極めて珍しい。

 西大寺の造営や運営にかかわる記述もあり、孝謙上皇(のちに称徳天皇)が建立した同寺の実態を研究する上で、貴重な史料といえそうだ。

 宅嗣の名前が書かれた木簡は縦29・7センチ、横2・75センチ、厚さ0・46センチ。縦書きで「参議従三位式部卿常陸守中衛中将造東内長官石上朝臣」と墨書されていた。「造東内長官」は東院造営の責任者、「石上朝臣」は宅嗣を指す。

 平安時代に編さんされた漢詩集「経国集」や、続日本紀によると、宅嗣は西大寺で詩をつくったり、称徳天皇主催の宴に列席したりしたとされる。市教委は「寺で開く宴の出席者名簿を書く際に、手控えとして使用したのでは」と話している。



                    2009年12月3日 -共同通信 より-

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