国宝の仏像、右手が行方不明に 平等院の雲中供養菩薩

 京都府宇治市の平等院鳳凰堂中堂にある国宝・雲中供養菩薩像52体のうち、東側壁面の「南24像」と呼ばれる仏像の右手が、1906年に補修された後、いつの間にかなくなっていたことが20日、平等院への取材で分かった。

 補修前には両手が欠けており、平等院は「制作当初の姿がはっきりしなかったため、誤解を与えないように、元の状態に戻した可能性がある」と指摘。しかし人為的に外したのか、自然に落下したのかは分かっておらず、同時期に補修した左手だけが残っているのも謎のままだ。

 雲中供養菩薩像は鳳凰堂の創建に合わせ、平安時代の1053年に制作。いずれも高さ60センチほどで、雲に乗り、本尊の阿弥陀如来坐像を取り囲むように四方の壁の上方にかかっている。

 1906年の補修は、現在の財団法人「美術院国宝修理所」(京都市)が実施。このほど同修理所で見つかった図解集によると、南24像は左腕から先の部分と右手が欠けていたため、死者の魂を浄土に運ぶ「蓮台」を両手で持つ姿にしたことが分かった。藤本青一所長は「平安後期の絵画や彫刻、仏像から制作時の姿を想像し、補修したのではないか」と指摘している。



                    2010年6月20日 -共同通信 より-